少し前の自分にとって、人から嫌われることは
とても怖いことだった。
仲間に入れてもらえないことは、
とても辛いことだった。
自分が人と違っていたら、仲間に入れてもらえないから
同じだと思ってもらえるにはどうすればよいか
一生懸命気を付けてふるまった。
もしも誰かに嫌われたと感じたら
なんとかして、嫌われた原因を見つけ
原因をなくすことで、もう一度受け入れてもらおうと努力した。
長い間親しくしていた友達が
最近急に私と距離をとって、
何も話してくれなくなった。
それに気づいたときは、ショックで
どうしてそうなったのか理由がわからず
相手を責める気持ちにさえなった。
原因さえわかれば、謝ることも、改めることもできるのにと
悔しい気持ちでいっぱいになった。
けれどふと思った。
これが自分だったらどうだろうと。
そっと離れようとしている人から
その原因を問われたとして
原因がなくなれば、一度離れた心が戻るだろうか。
私の答えは、否だった。
人の心は、変えられない。
私の気持ちも一度離れたら、もう元には戻れないのだ。
心の扉は外から開けることはできない。
内側にしか鍵穴はないから。
その時、離れていった友達が自分にしてくれたことの大きさに気づいた。
失うことで、私は解放され、もっと自由になった。
人に好かれるために自分を偽ることから
仲間外れを恐れて、人のまねをすることから
そして決して知りえない、人の気持ちを思い煩うことから
解放され、自由になった。
見捨てられる恐怖も、孤立への恐れも
まるで玉ねぎの皮がむけるように
自分への思い込みの皮がはがれて
恐れのない新しい自分が姿を現した。
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