NPO多言語広場CELULAS

多言語の不思議

NPO多言語広場CELULASは多言語の習得活動を通して、世界に通じる人材育成をしています。

世界に通じる力って、英語だけでなく、どうして多言語なの?

英語ができないのに、他の言葉が少しできても仕方ないんじゃないの?

よく質問されます。

その答えかな、と思える体験を最近しました。

これは英語だけを勉強していても決して体験することはできなかったと思う体験でした。

それはとても嬉しい体験で、多言語って不思議だなあとその力を改めて感じました。

セルラスでは毎週地域のメンバーが集まって多言語を楽しむ活動をしています。それをピアザと呼んでいます。

私の地域は、水曜日に海老名ピアザが、そして金曜日に厚木ピアザがあり、私はどちらもコーディネーターをしています。

セルラスは現在5か国語(英、韓、中、スぺイン、ロシア)のストーリーCDがあります。
普段日本語だけで暮らしている私たちにとって、このCDを日常的に楽しむことは、多言語の豊かな環境となります。
それをメンバーが家庭や毎週のピアザでストーリーのロールプレイで場のイメージを共有し、CDのシャドウイングで言葉の音声や固有のメロディーやリズムを共有すること。
それが、日本という単言語の環境をどれほど豊かに多様にしてくれているのか。
セルラスで活動できることの幸せを感じます。

セルラスのオリジナルのストーリーの中から、ピアザメンバーみんなで選んだストーリーを毎週ロールプレイしたりシャドイウングしています。子どもたちには、ロールプレイがとても楽しいゲームのようになります。

ストーリーを日本語で場面を想像しながら、登場人物のキャラクターも想像しながら、みんなでロールプレイで場面を創っていく。

そのプロセスが、その後のシャドウイングで様々な言語の音声と一致して意味と感情の伴う、自分の言葉になっていくのです。

小学校4年生の男の子が「ロールプレイって一番大事だと思う。そのあとシャドウイングすると、自分のジェスチャーの動きに、その多言語がひょいッと入ってくるから」

動きに音がひょいって入ってくる!

さすが小学生の表現はすごいなあと思います。言葉を話していて身振り手振りが出るのは、その意味が体でわかって体で表現できるからです。

そして伝えようとしているその意味は、何語であっても同じです。おなかが空いた~、とか不安だとか、待ちくたびれたとか。

そのジェスチャーや表情をするとき、それにぴったりの音声がCDから流れてきて、自分の動きとともに口から出るとき。

その言葉は意味を持って、イメージとともに体の動きと重なります。

今やっているストーリーは『誕生日』というストーリーで、アメリカにホームステイした主人公の中学生がサプライズで誕生日を祝ってもらうお話です。

長くこの活動をしているので、英語、韓国語、スペイン語でこのストーリーを一人で全部の役のロールプレイができますが、2年前に加わったロシア語は、まだ6割くらいしか入っていません。

CDに『誕生日』のロシア語、スペイン語、英語、韓国語をコピーして、車の中ではいつもシャドウイングしていますが、今はロシア語を集中してシャドイウングしています。

CDをリピート機能を使ってロシア語を繰り返しシャドイウングしていたのですが、先日車で聞いていたら、リピートボタンを押したつもりで押せていなかったようでした。

久々にロシア語の後、スペイン語が流れてきました。あれ、と思いながらスペイン語のシャドイウングをしてみたら!

ロシア語の後だったせいか、スペイン語は言っていることの一言一句意味が分かるしシャドイウングもできるようになっていたのです!

既にほかの言語はCDなしでできるようになっていたとはいえ、その意味まで完全に理解して話すことはできていませんでした。

ロシア語ができるまでは、スペイン語が最後にできたCDだったので、難しさも感じていましたし、わからない言葉がたくさんあると思っていました。

でも新しく出たロシア語を一生懸命シャドイウングしていたら、やっていないスペイン語がすごく育っていたのです。知らないうちに、すごくわかり話せるようになっていた!

私はこの現象を一人ひそかに、多言語のバームクーヘン現象と呼んでいます!

知らない言語、新しい言語に接して、聞いたりシャドイウングしたり、するたびに、その前に知っていた言葉がぐ~んと自分に近づいてくるのです。

外側に新しい言語が来ると、古い言語は自分にぐっと近づく。

これは英語で顕著に起きます。ロシア語やスペイン語、韓国語をしているときは、そんなに英語のシャドイウングはしていません。

けれど、最近の私は英語にほとんど違和感を感じなくなりました。その辺で聞こえていたら、日本語が聞こえているような感覚で意味が分かるし、考えなくても自分の言葉として出てきます。

来年3月にはフランス語が加わるセルラス。新しい言語が増えるたびに、また多言語の不思議な現象を味わうことができそうです。

考えてみたら、子供たちは生まれた国や育つ国や地域で話されていることばを、場面を共有しコミュニケーションを取りながら話せるようになっていくのです。

セルラスで取り組む多言語の活動は、多言語社会で育つ人が自然にやっていることを、この日本で体験しているのだと思います。

そしていろんな言語をシャドイウングすることで、どんな音声の言語も人間の言葉として聞くことができ、だから相手の言葉で話そうとする人が育つのだと思うのです。

セルラスのユニークな活動を紹介する講演会が明日から世田谷区と溝の口で開催されます。

ご興味のある方は、是非お出かけください。

http://celulas.or.jp/
<世田谷講演会>
【1】2018年10月23日(火)9:45~11:45烏山
【2】2018年10月29日(月)9:45~11:45下北沢

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<溝の口講演会>
【3】2018年11月6日(火)9:45~11:45
【4】2018年11月10日(土)14:30~16:30

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ABOUT ME
shigechan1783@gmail.com
NPO多言語広場CELULASのコーディネーターをしています。 セルラスではたくさんの言語(ことば)に同時に触れながら、世界中の誰とでもコミュニケーションできる力を育てています。 ことばはスキルでもツールでもなく、人と向き合い思いを伝え分かり合うために、人類が手に入れた尊い宝物です。 大人から子どもまで、多様な人たちが一緒に、ことばと人を育てあう場は、心とことばが同時に育つ場です。